ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「ちなみに、我々男性は、まだ半分しか壁のない床に寝袋を使って寝る予定だ。イーシー、お前はそれで大丈夫か? 屋根はあるし、よく乾かした草を敷いてあるからさほど寝心地は悪くないと思うが……森の野営経験がないと、つらいかもしれないぞ」

「ウィリオ殿下、わたしのことまで気にかけてくださるとは感無量にございます」

 イーシーの外見は高齢の老紳士であるため、ウィリオ王子は気を遣って言ったのだが、老従者は穏やかな笑みを浮かべた。

「畏れながら、地面にうずくまって野営をする覚悟もございました。屋根も寝袋もあるならば、たいそう過ごしやすい夜になりそうで嬉しゅうございます」

 にこやかに答えるイーシーの様子に、ウィリオ王子は安心した。

「そうか、それならばよかった。我ら森エルフは木の枝にまたがって夜を越すことも多々あるのだが、海の者には辛かろうからな」

「お気遣いをありがとうございます。国から国への旅の経験も多うございますので、陸地でも海中でもそこそこ快適に過ごすすべは存じてございます」

「ははは、まさに年の功というわけだな。頼もしいぞ。セラもイーシーから学ぶといい」

「ほあーい」

「なんだ、その気の抜けた返事は」

「過度な緊張がないと言ってくださいよ」

 森エルフのお気楽青年は、相変わらずであった。

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