ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 四人はツリーハウスにのぼり、着替えなどの荷物を置いた。

「わあ、これはハンモックなのにゃ! すごいにゃ!」

「ここに横たわって、ゆらゆら揺られて眠るのね。海藻に絡まって寝るのと同じで落ち着きそうだわ」

 部屋の中には、女性陣のためにふたつのハンモックが設置されていたのだ。しっかりした麻で織られた、モスグリーンと水色と黄色の縞模様の布に、丈夫だが柔らかいローブが使われていて、いかにも心地が良そうだ。天井の太い木の梁から吊るされているので、まるで巨大なブランコのようにも見える。

「寝ていい? ちょっとだけ寝てみてもいいかにゃ?」

 エリナは前脚でちょいちょいとハンモックをつつきながら、耳をひくひくさせた。ハンモックを見るのも触るのも初めてで、興奮しているのだ。
 すっかり心を許したエリナの口調が、本日はかなり猫寄りになっていたが、誰もそこには突っ込まない。
 むしろ、警戒心が強めの子猫が慣れて甘えることを可愛く思っていた。

「どうぞ、試してみるといい」

 年相応の子猫らしくはしゃぐエリナに、ウィリオ王子は優しく言った。

 エリナとルールーは嬉しそうにハンモックの上に乗った。

「うわ、楽しいわね!」

「揺れるにゃー、面白いにゃん」

 そしてふたりはぱたんと横たわると、同時に「お昼寝したくなっちゃうー」と言って笑った。
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