ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
熱血、腕試し大会
 森の中を、野営場所に向かって歩いて戻っていく途中で、ひとりの森エルフの戦士が腕試し大会に呼ぶためにやってきた。

「お疲れさまです。そろそろ始まりますので、ご見学いただけますと光栄に存じます」

 背が高いその戦士は、穏やかそうな笑顔でもの柔らかにエリナたちに言った。獣人は身体が大きくしっかりとしていて、見るからに強そうな者が多いのだが、それと対照的に森エルフは荒事とは無縁な落ち着いた雰囲気を持つ。
 しかしその性格は闘争心に溢れているので、見た目と中身のギャップが激しい種族なのだ。

 ウィリオ王子もセラも見た目は美少年と美青年なのに、隙あらば、身体を使ったどつきあいを伴ったボケツッコミを繰り出す。
 今ではエリナも慣れたのだが、最初はこのイケメン漫才コンビに驚いたものだ。

 やがて、腕試し大会のために作られた森の中の広場に着いた。
 スカイヴェン国の戦士たちの中にルディの姿があったが、なにやら忙しそうな様子なので、エリナは小さく手を振るだけにとどめた。狼隊長の尻尾がふっさふっさと大きく振られたので、エリナに気づいているのだろう。

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