ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 ルールーとエリナは特等席についた。冷たいシャワシャワした炭酸入りの葡萄水(森の中に、高濃度の炭酸水が噴き出す泉があるそうだ。そこに新鮮な甘酸っぱい葡萄を果実ごと絞って入れた葡萄水はとても美味しい)を片手に、エリナは高原の避暑地にやってきたお嬢さまになったみたいだと、ちょっとおすましをしてみた。

「あっ、エリナさん。今夜の料理も楽しみにしていますよ」

 そんなのんきなことを言うのは、料理のセンスが壊滅的なアライグマの青年だった。

「カレーライスを作るんですよね? 嬉しいなあ、俺の大好物なんです。っていうか、この世の中にカレーライスが好物じゃないやつなんていないかな、あははは」

「アライグマの……ええと……」

「トミーって言います。そういえば、我らがエリナちゃんに自己紹介するのをすっかり忘れてたよ、ごめんね! アライグマのトミーをよろしくね!」

「あっ、はい、よろしくお願いします」

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