ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「早く、早く食べたいにゃー」

 待ちきれずににゃーにゃー鳴きながら、エリナは手に持った串焼きのクリスタルフィッシュを見つめている。

「うふふ、そうね。エリナが獲ってくれたお魚をいただきましょう」

 ありがたき糧を、と食前の挨拶をしてから、皆焼き魚の頭からかぶりついた。

「んにゃああああーっ! んにゃんにゃんにゃんにゃ」

 激しいうにゃうにゃ声を出しながら、エリナは魚を頭からバリバリと食べ進めた。

「ははは、クリスタルフィッシュは子猫を猛獣化させるほどの美味しさだろう」

 素早く泳ぎ、警戒心が高いため普段はなかなか獲れないから、こんな風にひとり一匹などという贅沢な食べ方はできない高級魚だ。ウィリオ王子も「うん、これは美味い!」と魚に夢中になる。

 焼けた骨は、生の時の半透明から虹色に色を変えて、柔らかくなっている。香ばしい皮もふっくらと柔らかな白身も、滋味溢れる骨も、クリスタルフィッシュはすべてが完璧に美味しい魚であった。
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