ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「少し昼寝をするといい。たくさん泳いで疲れただろう。大量の魚までとってくれたしな、皆がとても喜んでいたぞ」

 ようやく子猫を抱っこできたルディは、内心で『野営地にはもう戻りたくないな』などと思いながらエリナを労った。

 エリナはまんまるな瞳でルディを見つめながら言った。

「あのお魚はとても美味しいから、みんなで一緒に食べられてよかったですよね。森も湖もとても素敵だし、空気も澄んでいて元気が湧き上がってくるから、自分ではまだまだ泳げそうな気がします。そうだ、今度はルディさんも一緒に泳ぎましょうね」

「ああ、楽しそうだな」

「水の中は太陽の光が差して、とても綺麗なんですよ。いろんなお魚が……泳いでいて……モフモフ……」

「うん? 魚がモフモフだと?」

「モフモフが足りない……魚はモフモフしてないから……」

「それはそうだろう」

 モフモフと毛の生えた魚はちょっと嫌だな、とルディが考えていると、エリナは半分寝ぼけて両手でルディの手をつかみ「モフモフ……」と離さない。

「ううむ……仕方がないな。子猫が昼寝をする時には、やはりフェンリルの尻尾が必要なのだ!」

 しばらく経って、エリナはどうしたかなとツリーハウスの上まで様子を見に来たルールーは、彼女たちが泊まる部屋の外の、まだ壁が一部しかない場所で丸くなったフェンリルの尻尾にくるまり、気持ちよさそうにすやすやと眠るエリナの姿を見て、そっと引き返したのだった。
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