ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「ルディ殿下、腕が疲れたでしょ? ささ、このセライラスタングリーズルが抱っこを代わりますよ、遠慮なくどうぞ」

 満面の笑みを浮かべたセラが、エリナを抱っこしようと腕を伸ばした。

「ささ、こちらへ、さささ」

「いや、遠慮しておこう」

「ええっ、なんで⁉︎」

 不満げなセラに、ルールーが「セラさんが赤ちゃん扱いするからいけないのだと思うわ。エリナは小さいけれどレディなんですからね」と忠告する。

「そんな、ちゃーんとレディだと思っていますよ?」

「レディに対して高い高いなんてするかしら?」

「そっ、それはですね、親しみの現れというか……わたしは親しい人には高い高いをする癖があるんです。ほら殿下、高い高いー」

「うぎょっ」

 セラに捕まったウィリオ王子は、突然高い高いされて変な悲鳴をあげてしまった。

「うわあっ、血迷ったか、セライラスタングリーズル!」

「はーい、楽しいでしょー、高い高ーい」

「楽しいわけがあるか!」

 もう少年なのに高い高いをされてしまったウィリオ王子は、ルールーとエリナに笑われて、セラに「あとで思いきりどついてやるからな!」と顔を赤くして怒るのであった。
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