ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「ルディ隊長、おかえりなさい」

「ただいま戻った。問題はないな?」

「はっ!」

 スカイヴェン国の近衛隊員が、子猫を片手に抱いたルディに敬礼した。
 同国の関係者はもう、そういうものだと思っているのでまったく違和感がないのだが、マーレン国の戦士たちは『やはり、国王陛下のお達しのように、子猫のエリナちゃんはよほどの要人なのだな』と改めて頷いた。

「皆さんお疲れさまでーす。それではおりまーす」

 各班の下ごしらえが始まっていたので、今度こそエリナはルディの腕からおろしてもらった。
 そして、一番心配なアライグマのところに行く。

「トミーさん、どうですか?」

「はい、材料はよく洗ってから皮を剥き、ほら、このように同じくらいの大きさに切ってあります」

 玉ねぎとニンジンが切り終わり、じゃがいもに取りかかっているのだが……。
 両方とも、まっぷたつに切られていた。

「ええと、確かに同じ大きさですが、ふたつに切っただけだと根菜に火が通るのに時間がかかってしまいます。今回は野営料理なので、そのあたりも考慮するといいですね」

「なるほどね! ありがとうございます」

「スプーンに乗せて食べやすいか、も考えるといいですね」

「あー、これじゃあ乗せるのに苦労しますよね」

 エリナの優しい指導を受けたトミーがふたつ割りだった玉ねぎを八つ割くらいに直したので、エリナはほっとした。

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