ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「今夜の材料はなんですか?」

「肉は鶏肉、野菜はじゃがいもと玉ねぎとにんじんと各種キノコです。キノコはたくさん集めてきたので、鍋に入るだけ突っ込もうと思います! キノコ、美味いですよね!」

 エリナは顔を引き攣らせて「トミーさん、落ち着いてください。わたしもキノコは大好物ですが、鍋に余裕を持たせて入れましょう。残ったキノコは別に、ニンニクと合わせてソテーにでもして食べると、おかずが増えていいと思いますし」と言った。

「なるほどなるほど! 品数が増えてキノコのソテーも楽しめるわけですか。さすがはエリナさんですね」

 いや、鍋のふちギリギリに作られたら、噴きこぼれやすいし、カレールーが投入できないのだ。

 エリナは『ふっ、さすがはトミーさん、次々と予想外のことを考えつきますね。これはできあがるまで気が抜けないにゃん』と、カレーができるまでトミーの班から目を離さないようにしようと誓った。

 良い戦士というのは、その場の状況を見極め、あらゆる情報から瞬時に戦況を判断できなければならない。
 アライグマのトミーがいろいろやらかしてはエリナに指導をされていたが、その逐一を観察しフィードバックさせて自分たちのカレー作りに反映したため、他の班の調理は順調に進んでいた。
 さすがはスカイヴェン国とマーレン国の代表として、この合同訓練に参加した強者たちである。

 トミーがその中に入っているのはなにかの間違いのように思われるのだが……まあ、完璧すぎるより、なにか一点抜けがあった方が、物事は意外に問題なく進むものなのかもしれない。

 というわけで、トミーの班のカレーが完成した頃には、どこの班のカレーもとても上手にできていた。
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