ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜５

「エリナちゃん、お待たせ」

「あっ、ユーさま」

「今日のカレーもいい匂いだねえ」

　ニコニコしながら現れたのは、肉を山ほど持った王宮の調理人たちを引き連れたユーディリシェイラミアムスである。

「お肉と炭を持ってきたからね」

「ユーさま、ありがとうございます！　すごいですね、これはいい炭です」

　エリナが固く焼かれた白い炭を打ち合わせると、硬質なキーンとした音が響く。

「さすがはユーさま、あの説明だけで最高品質の炭を作ってしまうなんて……。やっぱり焼き肉は炭火焼きに限りますよ」

「あはは、わたしも美味しいものが食べたくてがんばってしまったよ。さあ、火を起こそうか」

　彼らは網が用意された大きなかまどの傍に肉を置くと、素早く炭に火をつけて充分に網を熱した。

「あれはなんだろう？」

「木なのか？　薪とは違う燃え方のように見えるが……」

「妖精専用のなにかなのだろうか」

　豊富な魔石を使った魔石コンロが各家庭に普及しているので、炭はあまり使われない。皆は見慣れない炭に興味があるらしく、チラチラとそちらを見た。

　ちなみに、この炭はもちろん、最高に美味しく焼き肉を食べるためにとエリナがユーディリシェイラミアムスに頼んでいたものである。