ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 この日の子猫は『トングの戦士』という名で伝えられた。
 素早く肉をつかんで網に並べていったかと思うと、炙られた肉をひっくり返して、差し出されたごはんの上に乗せていく。

「さあ、タレだ」

 そこに焼き肉のタレをかけるのは、なぜかルディである。

 戦士たちのごはんは次々と炭火焼き肉丼に生まれ変わり、声なき声をあげながらひたすらかきこんだ。
 この日のごはんは、エリナの指示で普段の、なんと三倍の量が炊かれていた。
 しかし、それらがみるみるうちになくなっていく。

「さあ、ユーさまも食べてください」

「ええっ、エリナちゃんは?」

「大丈夫です、さあ、焼きたての炭火焼き肉を!」

 トングを取り上げられたユーディリシェイラミアムスはごはんの入った丼をもたされた。ほかほかの炊き立てごはんの上に、香ばしく炙られた焼き肉が乗せられる。

「ううん、これはたまらない香りだよ」

 お行儀悪く立ち食いで、肉汁が滴る炭火焼き肉とごはんを口に入れたユーディリシェイラミアムスは、その場で立ち止まって焼き肉丼をかきこんだ。
 そして「こんなに美味しいなんて!」と叫ぶと、ごはんのお代わりをもらいに行く。
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