ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「……んにゃ? いつの間にかハンモックで寝ていたにゃん」

 寝ぼけ顔の子猫に、ルールーは「おはよう、エリナ。昨夜はお湯を浴びた後に疲れが出てしまったみたいね。ルディさんが連れてきてくれたのよ」と説明をした。

「そうだったのにゃん」

 ふたりは着替えをして部屋から出ると、「みんな早起きにゃん」「そうね」と顔を見合わせてツリーハウスを降りた。

「おはよう、お嬢さん方。朝食の準備はできているから、顔を洗ってくるといいですよ」

 セラに言われて、ふたりは朝の洗顔をすると火の近くに戻ってきた。

「なにかお手伝いすることはあるかしら?」

「大丈夫だ、レディたちは食卓についてくれ」

 ルールーとエリナは遠慮なく素朴な椅子に腰をかけて、イケメンたちが用意してくれた朝ごはんを美味しくいただいた。

「今日はもう、帰る日なのにゃ。なんだか……胸が変な感じに痛いにゃん」

 二泊三日の仲良しお泊まり会は、これまで友情に恵まれなかったエリナにとって楽しすぎる日々だった。そして、それが終わってしまうと思うと寂しくて悲しくて、子猫の瞳から涙が溢れ出てしまった。

「楽しかったにゃん……ツリーハウスで寝るのも、火の周りでおしゃべりするのも、湖で遊ぶのも、ごはんを食べるのも……もう終わりだと思うと……胸が苦しくて……」

「ああ、エリナ!」

 ルールーは椅子から立ち上がると、ぽろぽろと涙をこぼす子猫を抱きしめた。
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