ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「そうだにゃ、わたしたちには未来があるから……また会える日のために、準備しなくてはならないし、泣いている暇はないにゃん」

 エリナは妙に鼻息を荒くして、涙を引っ込めた。それを見たルールーは「ん?」と不思議そうな顔をする。

「準備? ……そうね、また楽しいイベントを計画しましょう。わたしはまだまだ見習いだから、国から国へと旅をすることも多いし、すぐにこっちに来る機会があると思うわ」

「にゃん!」

 やる気に満ちた子猫のところに、出発の支度を終えたルディがやってきた。スカイヴェン国の他のメンバーは、これから時間をかけて帰国するのだが、子猫に長旅をさせるわけにはいかないので空飛ぶフェンリルがひとっ飛びするのだ。

 狼隊長に抱っこされたエリナが、途中でユーディリシェイラミアムスからもらったブローチにそっと妖精の粉をかけながら『ユーさま、もう帰るので王宮に向かいますね』と強く念じてメッセージを送った。

 彼らがマーレン国の王宮に戻ると、謁見室に通され、そこにはユーディリシェイラミアムスと守護妖精に会えて嬉しくてドキドキしているマーレン国王が待っていた。
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