ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 フェンリルの姿になったルディに、生のものとよく干したキノコや果物、そして食べ頃のイノブタ肉、クリスタルフィッシュの一夜干し(エリナが獲ったものだ)などの美味しいお土産が山のようにくくりつけられていく。彼が「おい、いくらなんでも多過ぎだろう、これでは前が見えん。残りはぶら下げられるようにしてくれ」と抗議している横で、子どもたちがお別れをした。

「気をつけて帰ってね」

「いつでも遊びに来るがいい。ルールーも、旅の途中になるべく立ち寄ってくれ。その時はわたしがエリナに連絡をするから」

「頼んだにゃ。ツリーハウスが大きくなるのも期待してるにゃ」

「ああ、がんばって増築しておこう」

「湖の前っていうのがいいわよね。次はエリナと泳ぎの競争がしたいわ」

「負けないにゃんよ!」

「いや、目の前をクリスタルフィッシュが横切ったら、エリナは勝負よりもそっちを取るだろうな」

「うにゃん、否定できないにゃー」

「あははは、様子が目に浮かぶな」

 子猫は、エリナのためなら力の限りお土産を持とうとして大変なことになっているルディにまたがり、三人は笑顔で手を振って別れた。

 こうして、エリナたちの楽しいお泊まり会(いや、合同訓練だ)が終了して、青弓亭のエリナとしての日々が再び始まった。
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