ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「それじゃあ、今夜はこれで帰るね。明日はミメット姉さんのうちにお泊まりなんでしょ?」

「うん、ルディさんは夜勤だからね」

「そうしたら、明日の夜からさっそく訓練の続きを開始しようよ。エリナの力がどのくらい強くなったのかも見たいしね。おやすみ、また明日ねー」

「おやすみ、クーちゃん」

 クー・シーは空中でくるりと回ると、そのまま姿を消した。

「ルディさん、わたしたちも休む支度を……ルディさん?」

 エリナは顔を横にして、テーブルにおでこをつけたままの狼隊長を見た。

「今夜はとてもお疲れですか?」

「いや、違う……俺って、そんなに、老けているか?」

「え?」

 どうやらクー・シーの何気ないひと言が、ルディのハートに突き刺さってしまったようだ。
 彼は突っ伏したままエリナの方を見て尋ねた。

「そういえば、俺はいつも怖い顔をしているとか、気難しいとか言われることがある。それはもしや、老けているからなのか?」

「うーん……」

 エリナはしばらく考えてから「単にクーちゃんが子どもっぽいんだと思います」と答えた。

「ルディさんは真面目に警備隊のお仕事をしていますから、お仕事中のお顔はとてもキリッとしています。あと、普段はカッコいい狼です。わたしの目には、老けているようには見えませんよ。とっても素敵な大人の狼さんです」

「お、おお、そうか」

 ルディは身体を起こすと「シャワーでも浴びるか!」とキリッとした顔で言った。彼はエリナの『カッコいい』『とっても素敵』という言葉で簡単に立ち直ってしまう、素直な狼さんであった。

 
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