ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 そして、次の夜。
 青弓亭の二階にあるお泊まり部屋にいたエリナの元に、クー・シーがやって来た。彼は部屋中を走り回って妖精の粉をたっぷりと撒くと、ミメットの部屋の方にも『お騒がせしまーす、起きないでね』と輝く粉をそっと送った。

「ねえクーちゃん、相談したいことがあるんだけど……フォーチュナさんは忙しいかな?」

 エリナは、ある計画を立てていたのだが、そのことについてベテランの妖精たちに相談したかった。彼女の持つ力は日ごとに強くなり、できることが増えていっている。それはつまり、この世界を変えるほどの力があるということなのだ。
 守護妖精として、どのくらいのことをしてよいのか。エリナはそれが不安だった。

「たぶん、大丈夫だと思うよ。声をかけてみるね」

「ありがとう」

 クー・シーは運命を司る妖精であるフォーチュナを呼びに行った。

「こんばんは、エリナ」

 足首まである長い金髪をゆらめかせながら、夢の中から生まれたような美しい妖精が現れた。

「フォーチュナさん!」

 淡い水色のロングドレスを着た金髪に金の瞳を持つ美女は、子猫を抱き上げて「よしよし、今夜もとびきり可愛いわね」と頬ずりをした。
 エリナが「フォーチュナさーん、わたしは赤ちゃん猫じゃないにゃーん」と抗議をしたが「こんなにふわふわで柔らかくて愛らしいんですもの、もう少しだけ抱っこさせてちょうだいな」となかなかおろしてくれない。

 
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