ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「ところで、わたしへの相談ってなにかしら?」

 本題に入ったので、エリナは真面目な表情で言った。

「実はわたし、スカイヴェン国とフィフィール国を隔てる山脈にトンネルを掘ろうと考えているんです」

 フィフィール国からスカイヴェン国に来るためには、マーレン国を通過して、さらに魔物の森をぐるっと迂回しなくてはならない。だが、トンネルを掘れば、馬車ならば3日程でフィフィール国の中心部からスカイヴェン国に来ることができるし、そこから一日馬車を走らせれば王都に来ることができる。

「調べたんですけれど、山と山との間に一ヶ所地上に出る所ができます。そこを整地して野営地にすれば、楽にふたつの国を行き来できるようになりそうなんです」

 フーラアヌにカレーライスを食べさせるために……ではなく、大真珠を返却するためにフィフィール国へ向かった時に、フェンリルの背中に乗って山越えをした。その時に、エリナは地形を頭に入れておいたのだ。

 シーフードが大好きなサランティーナ王妃のために、荷物を背負った力持ちの獣人が山越えをするルートは、比較的標高が低いふたつの山が重なる場所であった。エリナはそこに二本のトンネルを掘ってしまおうと計画していたのだ。
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