ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります！〜５

　ひと段落すると、今度は朝の市場への買い出しだ。

　青弓亭は王都でも有名な食堂だから、どの店でも注文すれば喜んで食材を届けてくれる。しかし、こうして散歩も兼ねて市場を見回り、実際に自分の目で食材を確かめることが、料理人にとっては大切な作業である。様々な食材に接しているこの時間に新しいアイデアが湧いたりするのだ。

　キジトラ猫と白い子猫は仲良く手を繋ぎながら、今日はどんなものが店頭に出ているのかとお店を回っていた。

「あれは、ヴォラットさんですよね」

　エリナが屋台のひとつの前にいる黒豹を見つけた。
　どうやら夜勤明けの警備隊員ヴォラットは、これから屋台で朝食をとるところらしい。

「そうだね。ヴォラットーッ、おはよう！」

　ミメットが声を張って手を上げると、クール系イケメンの黒豹はこちらを振り返り、手に持った肉の串を上げてにやりと笑った。