ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
「そっ、そうだね、エリナ。将来は『白い疾風』と呼ばれる猫になるかもしれないよ」

 その場にしゃがみ込んだ旋風のミメットは、テーブルにつかまりながらなんとか立ち上がった。

「そうなのにゃん! 旋風のミメットの妹分として、恥ずかしくない戦闘力を身につけるにゃんよ!」

 にゃああん! と力強い(と、エリナだけが思っている)猫パンチを決めたエリナは、気持ちが入り過ぎたせいか、またしても小さな白い子猫の姿になってしまった。そして、トコトコとルディに近寄って膝に飛び乗り、彼の筋肉質なお腹に「どうにゃ! どうにゃ!」と可愛すぎるパンチを連打したので、王都警備隊員たちは、犬も虎も狐も黒豹も「俺、もう駄目だよ、立てなくなっちゃう、勘弁してよエリナちゃん!」「猫族一の……破壊力……」「くううう、なんて危険な子猫ちゃんなんだ、俺のハートが撃ち抜かれてしまったよ、マイベイビー!」「俺としたことが……再起不能になりそうだ」と、次々と沈んでいった。

 そしてせっかく立ち上がったミメットも、隣でミメットを支えようとしたコレットも、白い子猫の放つパワーに負けて仲良くしゃがみ込んでしまったのであった。
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