ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 エリナは大きな鍋を出すと、そこにトマトケチャップとウスターソース(両方とも、すでにエリナの監修で商品化されているものだ)、ひいたコショウにすりおろしたニンニク、粒マスタード、乾燥させて砕いたオレガノを入れて混ぜた。そして、中火にかけてかき混ぜながら温め、煮立ったら弱火にしてぐつぐつと煮込む。

「焦がさないように混ぜ続ける必要があります。トマトケチャップもウスターソースもそれ自体が完成した調味料なので、煮込むことは味を馴染ませるのと、殺菌して日持ちをよくするのが目的です」

「なるほどね。ジャムを煮ると日持ちがするのと一緒かな」

 エリナのレクチャーで料理についての知識が増えてきているミメットが言った。

「はい。加熱することで余分な水分を飛ばして、痛む原因となる成分を減らすことができます」

 この世界には、腐敗を起こす細菌の存在はあまり知られていない。だが、パンを膨らませる元とかチーズを美味しくする元が、目には見えないけれど存在していることはなんとなく認識されている。

 ちなみにエリナは『美味しい納豆が食べたいけれど、まだまだ作ったとたんに『お腹を壊すからやめなさい!』って取り上げられる可能性が高いな』と、あくまでも『今のところは』納豆作りには挑戦していない。
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