ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 中心がほんのりと温まった特上の牛肉は、すぐに消えてしまう柔らかさなのに、舌の上に脂のコクをしっかりと焼き付けて、さらに肉自体から溢れ出す豊富な肉汁で食べる者の心をかき乱しては、楽園に誘う。

 肉、タレ、ごはん。
 危険な、危険すぎる組み合わせだった。

 だが、間に焼き野菜を挟むのを忘れてはならない。強烈な旨みを持つ焼き肉に控えめな自然の甘さで三人の舌を和ませて、さらに肉への気持ちを奮い立たせるのは野菜の大切なお仕事なのである。

 肉、野菜、ごはん。
 それらは完璧なトライアングルを描き、三人の働き者の娘を遥かな高みへと昇らせる。

 
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