ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 静かな、けれど熱い闘いに全力で挑む時間が流れた。
 そして、軽く2キロはあった肉がすべて消えた。
 
「……美味しかった……いや、美味しいという概念を超えた時間だった……」

 空になったごはん茶碗をことりと置くと、百戦錬磨の冒険者であるミメットが「あたしの完敗だよ。なんの闘いなのかわからないけど、そんな気分なのさ」と満足げなため息をついた。

「わたし、生まれてからなんじゅうね……けっこうな時間が経ちましたが、こんなに美味しいものを食べたのは、初めてですぅ。至高の食べ物でした」と、コレットもため息をつく。そして「おなかがぽんぽこりんなのですぅ」と椅子に座り込んで、幸せそうな顔でおなかを撫でた。

「こっ、これはっ、禁断の焼き肉丼だったにゃ!」

 エリナは箸を持つ手を震わせた。

「この世にこんなにも美味しい食べ物があったとは……焼いた豆腐で満足していた、日本にいたわたしは間違っていた……豆腐も美味しいけど、ここはひとつ牛さんに謝らなければならないにゃ! 牛さん、ごめんなさいにゃ! 肉屋のおじさん、このご恩は一生忘れないにゃ! だからまたお肉くださいにゃ!」

 子猫はかなり混乱している様子だ。
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