ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
 だが、フェンリルはその上を行っていた。
 なにしろ、障害物がなにもない空を全力疾走するのだ。そのスピードたるや、遥か遠くの海の国、フィフィール国でさえも余裕で日帰りができてしまう程である。

 というわけで、そろそろ他の皆が着いたかな、というタイミングで、エリナとルディはマーレン国へと出発したのである。

「ルディさん、今日はわたしたちはテントに泊まるんですか? 寝袋を使うんですか?」

「エリナの寝床は俺の尻尾に決まっている」

「ルディさんの尻尾は寝袋要らずですね……フェンリルが入るくらいに広いテントってあるんですか?」

「……」

「え? まさかの?」

 ルディは内心で『しまった』と思った。モッフモフのフェンリルが入るほどのテントは、おそらく、ない。ギリギリ入れても、中はモフモフでいっぱいになって身動きが取れないだろう。

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