狼とわたあめ

わたあめより甘い



気づいたら、たこ焼きを食べ終わっていた。


飲み物を買いに行った亜美はまだ戻って来ない。


大丈夫かな・・・


ふと、私のすぐ横に置いてあるたこ焼きに視線を落としたその時だった。


ギシッと誰かが隣に腰を下ろした。


びっくりして顔を上げると、会いたくないと思っていた人が膝に肘をついて真っ直ぐ前を見て座っている。


っ!


驚きで声が出ない。


な、なんで、ここに・・・。


ドクドクと心臓が大きく脈打っている。


急な展開に頭が回らない。


さっきまで思い出の中で会っていた人がすぐ隣にいる。


こんなに近くで会うのは9ヶ月ぶり?あのキスシーンを見てから1回も会っていなかったから。


えっと、なにか、話さないと。


いつも通り話さないと変だよね。


そう思い、口を開こうとした。

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