狼とわたあめ
「それ気にして避けてたわけか」
「それはっ・・・」
「ほんと可愛いな、オマエ」
黒田さんはニヤッと口角をあげた。
っ!
かわ、可愛いって・・・
黒田さんから初めて言われた言葉に顔が熱くなり俯く。
「なぁ、由香里」
急に真剣なトーンに自然と顔を上げてしまうと、また漆黒の瞳に捉えられた。
「俺に愛される覚悟、ある?」
色気を含んだ低音の声が耳に響いた。
「・・・・・・・・・・・・へ?」
色気を含むなんて程遠い、なんとも間抜けな声が出た。
「フッ。なんて顔してんだよ」
「だ、だって・・・・・・、それって・・・」
「好きな女、口説いてんの」
「っ、」
思わず目を見開く。