狼とわたあめ


「す、す、好きって・・・、私を、ですか」

「由香里を」

「黒田、さんが?」

「俺が」

「何かの間違いでは・・・」

「ない。俺の気持ち否定すんのか?」

「いやっ、そういうわけでは!・・・でも、本当に信じられなくて・・・その・・・私なんて眼中にないと思っていたので」


本当に?


本当に黒田さんが私を好き・・・


「じゃあ、これから存分に分からせてやるよ。俺がどれだけ由香里のことが好きか」


そう言って右手で私の顎をクイっと持ち上げた。


「・・・その前に、返事聞いてなかったな」


またニヤッと笑う。

そんな顔も悔しいくらいにカッコいい。


「好きです」

「・・・・・・」


なぜか黒田さんが固まっている。


ちゃんとはっきり伝えたのに。


こっちは去年の秋祭りから伝える気満々だったんだから。



「あー・・・、ヤバいな。由香里、オマエほんと最高だな。めちゃくちゃに愛してやるから覚悟しとけよ」


そんな男気溢れる言葉のあとに振ってきたのは、とっても優しくてわたあめよりも甘いキスだった。











あとで聞いた話によると、亜美は飲み物を買ったあと黒田さんを呼びに行って屋台の後ろからこっそり見守ってくれていたらしい。



ありがとう、亜美。

今度、亜美の大好きな回転寿司行こうね。








end.



< 17 / 17 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:10

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
忘れられない夏がすぐそこに。

総文字数/10,993

恋愛(純愛)26ページ

表紙を見る
雨降って、恋に落ちる

総文字数/3,579

恋愛(学園)9ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop