フォーチュンクッキー
 さっきっていつだよ!


サトの言葉に言いきれないほどのツッコミを心で叫んだ。


 オレは靴にも履き替えず、バッシュのまま校門を出た。

見える道にはその姿すら見えない。

もう帰路に着いてしまっただろうか?



 だけどその考えはすぐ否定した。


 あいつなら、きっと…。



 その想いは一つの目的地へと、オレを駆り立てた。

走りっぱなしってのはキツイもんだけど、慣れると意外にも気持ちよくなってくるんだ。

いわばランニングハイってやつだ。



 それでも、途中体を休めると相当堪えるんだ。

息を切らして、あいつが通りそうな道をたどった。



そして、うっすらみえた影から声が聞こえてきた。



「よかったのー?」


「…うん、大丈夫そうならもういいよ」


「未来がそういうならいいけど~」



 はあっ、はあっ。


その音だけがオレを支配してうまく声にならない。



 あと、少し。



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