フォーチュンクッキー
水の流れるせせらぎが清涼感を煽って、汗ばむ服の感触もあまり気にならなかった。
いい具合に陽が落ちてきて、すでに星がちらちら見え始めていた。
やきそばやたこやき、飲み物なんかもごそごそと買いこんで到着すると、傾斜がかった芝生に腰をかける。
腕時計を見ると19時をすぎたところで、あと数分で花火があがる。
「今年はどんな形かな?」
「降ってくるやつは絶対やるよ~!」
チビ助と杏ちゃんは楽しそうに、オレと雛太くんの前で花火の形について盛り上がっていた。
「…あの」
「ん?」
オレの隣で、目を合わせないで声をかけてきた。
視線をやるとどこか遠くを見るように、両膝を立ててこぶしを握っていた。
「未来のこと……」
彼の言葉を遮るように、周囲でため息が漏れた。
その直後。
ドン!
体を打ち付けられたような衝撃とともに夜空に色とりどりの火の粉が舞った。
「うっわぁぁ!」
「綺麗~!」
目の前の女の子二人は、興奮気味に空に見入っていた。
夜空を彩る大輪の花。
それは彼の目にも映っていたに違いない。
いい具合に陽が落ちてきて、すでに星がちらちら見え始めていた。
やきそばやたこやき、飲み物なんかもごそごそと買いこんで到着すると、傾斜がかった芝生に腰をかける。
腕時計を見ると19時をすぎたところで、あと数分で花火があがる。
「今年はどんな形かな?」
「降ってくるやつは絶対やるよ~!」
チビ助と杏ちゃんは楽しそうに、オレと雛太くんの前で花火の形について盛り上がっていた。
「…あの」
「ん?」
オレの隣で、目を合わせないで声をかけてきた。
視線をやるとどこか遠くを見るように、両膝を立ててこぶしを握っていた。
「未来のこと……」
彼の言葉を遮るように、周囲でため息が漏れた。
その直後。
ドン!
体を打ち付けられたような衝撃とともに夜空に色とりどりの火の粉が舞った。
「うっわぁぁ!」
「綺麗~!」
目の前の女の子二人は、興奮気味に空に見入っていた。
夜空を彩る大輪の花。
それは彼の目にも映っていたに違いない。