フォーチュンクッキー
チビ助が泣き止むと、どうしようもない恥ずかしさが一気に襲ってくる。
そんなチビ助も、一度だけ見上げてきたから目があった。
でもすぐに、再び汗臭いオレの腹に顔を埋めてしまう。
微かに響く足音で、オレたちは一緒になってびくびくしてた。
「帰ろうか?」
チビ助は小さく頷いた。
外に出れば相変わらず苦しいほど暑くて、さっきまでの緊張感すら溶けてしまった。
近すぎず、遠すぎないこの半歩分の距離。
どうにか埋められないか。
そればっかり考えてしまっていた。
そんなゲンキンなオレはどうすることもできず。
「勉強するぞ」
返事を待たず、喫茶店に向かうことにした。
チビ助がいやだなんていうわけない。
チラリと後ろをみると、やっぱりまだ頬がピンク色で伏し目がちだ。
足をピタリと止めてみる。
「ひゃあっ」
予想通り勢いよく背中にぶつかってくるチビ助は、鼻をさすりながら見上げてくる。
少し困ったように眉をひそめてた。
「あぶないですよ、太一さん」
いつものその顔にほっとしてしまった自分がいた。
オレが笑ったら、つられるようにチビ助の顔も緩んだ。
そんなチビ助も、一度だけ見上げてきたから目があった。
でもすぐに、再び汗臭いオレの腹に顔を埋めてしまう。
微かに響く足音で、オレたちは一緒になってびくびくしてた。
「帰ろうか?」
チビ助は小さく頷いた。
外に出れば相変わらず苦しいほど暑くて、さっきまでの緊張感すら溶けてしまった。
近すぎず、遠すぎないこの半歩分の距離。
どうにか埋められないか。
そればっかり考えてしまっていた。
そんなゲンキンなオレはどうすることもできず。
「勉強するぞ」
返事を待たず、喫茶店に向かうことにした。
チビ助がいやだなんていうわけない。
チラリと後ろをみると、やっぱりまだ頬がピンク色で伏し目がちだ。
足をピタリと止めてみる。
「ひゃあっ」
予想通り勢いよく背中にぶつかってくるチビ助は、鼻をさすりながら見上げてくる。
少し困ったように眉をひそめてた。
「あぶないですよ、太一さん」
いつものその顔にほっとしてしまった自分がいた。
オレが笑ったら、つられるようにチビ助の顔も緩んだ。