フォーチュンクッキー
プシューッと空気が一気に抜ける音が響く。
すると、背後では加速を始めた電車が駅を後にした。
すでに空の遠くで、にぎやかな音楽が流れてきて、それにあわせるかのように、周りもいろんな制服を着た同学年くらいの子たちで溢れていた。
「ドキドキするね、高校の文化祭なんて!」
「うん、本当に!」
顔を見合わせた杏ちゃんと頷きあった。
「危ないから前見ろよ?」
後ろからはぶっきらぼうに心配してくれる雛太の声。
「は~い」
二人でクスリと笑いながら答えた。
今日は待ちに待った太一さんの高校の文化祭の日。
あたしの志望高校でもあるから、緊張しないわけがなかった。
実は、場所的には隣の駅だからバスを使ったり、頑張れば徒歩でもいける距離。
でも今までずっと歩いて学校に言っていたから、高校にいくからには電車通学ってしてみたかった。
杏ちゃんも同じ気持ちだったみたいで、雛太を強引に引き連れて電車でやってきたのだ。
改札を出ると、制服姿の団体がぞろぞろと道を埋め尽くしていた。
「うわあ、人がすごいね~」
「未来、迷子にならないようにね?」
きょろきょろしていたあたしを、杏ちゃんが笑ってからかってくる。
「…なっ、ならないよっ」
精一杯反論してみるものの、雛太もうんうんと力強く頷くからそれ以上言葉に詰まってしまった。
すると、背後では加速を始めた電車が駅を後にした。
すでに空の遠くで、にぎやかな音楽が流れてきて、それにあわせるかのように、周りもいろんな制服を着た同学年くらいの子たちで溢れていた。
「ドキドキするね、高校の文化祭なんて!」
「うん、本当に!」
顔を見合わせた杏ちゃんと頷きあった。
「危ないから前見ろよ?」
後ろからはぶっきらぼうに心配してくれる雛太の声。
「は~い」
二人でクスリと笑いながら答えた。
今日は待ちに待った太一さんの高校の文化祭の日。
あたしの志望高校でもあるから、緊張しないわけがなかった。
実は、場所的には隣の駅だからバスを使ったり、頑張れば徒歩でもいける距離。
でも今までずっと歩いて学校に言っていたから、高校にいくからには電車通学ってしてみたかった。
杏ちゃんも同じ気持ちだったみたいで、雛太を強引に引き連れて電車でやってきたのだ。
改札を出ると、制服姿の団体がぞろぞろと道を埋め尽くしていた。
「うわあ、人がすごいね~」
「未来、迷子にならないようにね?」
きょろきょろしていたあたしを、杏ちゃんが笑ってからかってくる。
「…なっ、ならないよっ」
精一杯反論してみるものの、雛太もうんうんと力強く頷くからそれ以上言葉に詰まってしまった。