フォーチュンクッキー
驚きのあまり、固まってしまったチビ助の視線が……とても痛かった。
こんな時期にいう話じゃない。
でも、直前まで言わないなんて選択はしてはいけない。
チビ助には、選択権がないのだから。
呆然と固まってしまったチビ助に、イイワケのように話を続けた。
「母さんが帰ってきてから、ずっと言われてた。
今までほったらかしにしてたのにって、オレですら思った」
家に帰るたびに、夜中まで話してた。
オレは、最近になってようやく大事なものとか気づけたんだ。
それはなによりも、チビ助がいたからこそだと思ってる。
だから、離れるなんてオレには考えられなかった。
「でも…今のオレは、夢も目標もなくて……っ」
一生懸命、毎日を生きるチビ助と対等なのだろうか。
そんな疑問が胸をくすぶっていた。
目の前にある冷めかけたミルクを見ながら、唇が震えるのを隠した。
いつの間にかカップの中からは湯気も見えなくなってしまって、なんて続けていいかわからなくなっていた。
俯いたオレは、チビ助の顔を直視できなかった。
なんて言葉を続けていいかもわかるわけがなくて、そのままお互い押し黙ってしまった。
そんな沈黙を破ったのは、クスンと鼻をすする音。
ハッと顔をあげると、チビ助の瞳からはポロポロと大きな粒が頬を伝う。
こんな時期にいう話じゃない。
でも、直前まで言わないなんて選択はしてはいけない。
チビ助には、選択権がないのだから。
呆然と固まってしまったチビ助に、イイワケのように話を続けた。
「母さんが帰ってきてから、ずっと言われてた。
今までほったらかしにしてたのにって、オレですら思った」
家に帰るたびに、夜中まで話してた。
オレは、最近になってようやく大事なものとか気づけたんだ。
それはなによりも、チビ助がいたからこそだと思ってる。
だから、離れるなんてオレには考えられなかった。
「でも…今のオレは、夢も目標もなくて……っ」
一生懸命、毎日を生きるチビ助と対等なのだろうか。
そんな疑問が胸をくすぶっていた。
目の前にある冷めかけたミルクを見ながら、唇が震えるのを隠した。
いつの間にかカップの中からは湯気も見えなくなってしまって、なんて続けていいかわからなくなっていた。
俯いたオレは、チビ助の顔を直視できなかった。
なんて言葉を続けていいかもわかるわけがなくて、そのままお互い押し黙ってしまった。
そんな沈黙を破ったのは、クスンと鼻をすする音。
ハッと顔をあげると、チビ助の瞳からはポロポロと大きな粒が頬を伝う。