フォーチュンクッキー
いやだ。
ずっと笑っていてほしいのに、オレはそうじゃない選択しかしていない気がする。
なんで、チビ助はオレを選んだんだ?
どんなに考えても、答えにたどり着くわけがなかった。
「太一はさ、それでいいの?」
怜の淡々とした声に、思わず肩が震えた。
もう一度ぎゅっと拳を握り締めて、オレは吐くように呟く。
「……決めたんだ」
窓の外は、もう藍色に塗り換わりそうに暗くなり始めていた。
白く曇るガラスは、オレの気持ちみたく何も透き通らせようとはしていなかった。
「でも、未来ちゃんは納得できねぇよな。
選ばせてやる、なんて言って太一が逃げるんだから」
「じゃぁどうしろって……っ」
まだ抵抗するような怜に、オレは苛立ちを隠せなかった。
そしてなぜだか泣きそうになっていた。
怜は続けた。
「太一の気持ち、伝えてこいよ。
そうやって未来ちゃんのこと考えてること……二人が納得できるように、さ」
伝えて、チビ助にとって何か得るものがあるのか?
「……そんなの、いまさら?」
いぶかしげに怜を見つめたけど、やっぱりそれは怜なわけで。
はは、と大きく笑った。
「サトの時と一緒だよ。『今』だからできるんだってば」
.
ずっと笑っていてほしいのに、オレはそうじゃない選択しかしていない気がする。
なんで、チビ助はオレを選んだんだ?
どんなに考えても、答えにたどり着くわけがなかった。
「太一はさ、それでいいの?」
怜の淡々とした声に、思わず肩が震えた。
もう一度ぎゅっと拳を握り締めて、オレは吐くように呟く。
「……決めたんだ」
窓の外は、もう藍色に塗り換わりそうに暗くなり始めていた。
白く曇るガラスは、オレの気持ちみたく何も透き通らせようとはしていなかった。
「でも、未来ちゃんは納得できねぇよな。
選ばせてやる、なんて言って太一が逃げるんだから」
「じゃぁどうしろって……っ」
まだ抵抗するような怜に、オレは苛立ちを隠せなかった。
そしてなぜだか泣きそうになっていた。
怜は続けた。
「太一の気持ち、伝えてこいよ。
そうやって未来ちゃんのこと考えてること……二人が納得できるように、さ」
伝えて、チビ助にとって何か得るものがあるのか?
「……そんなの、いまさら?」
いぶかしげに怜を見つめたけど、やっぱりそれは怜なわけで。
はは、と大きく笑った。
「サトの時と一緒だよ。『今』だからできるんだってば」
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