フォーチュンクッキー
 ガラスが曇る中、期末試験が行われた。

余裕な顔して笑ってるけど杏ちゃんも緊張を隠せていない。


 それもそうだ。

これで内申が決まってしまうのだから。


 帰り道では雛太も加わってみんなで教科書とにらめっこ。

家に帰っても、そこからがあたしの時間だった。


だけど、それも今日で終わった。


「……うん、お疲れさん」

 目の前には、さっきまでといていた問題用紙。

太一さんは自分も試験で、更にあたしたちよりも一日長いというのに、あたしの勉強をずっと見てくれていた。


 ざっと採点してくれたけど、試験の結果はまずまずといったところだ。

手厳しい先生のおかげもあって、小テストで沈みかけていたわりにはよくできたと思う。


ただ、この時期はみんな頑張っているから、一概には喜べなかった。



 テストが終わったってあたしたちの手が休まることはない。

むしろこれからが本番なのだ。


ま、これは太一さんの受け売りなんだけどね。



 当の太一さんは目の前でパラパラと英会話の本を広げている。

一度聞いてみた。


「試験勉強はいいんですか?」

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