フォーチュンクッキー
Step8 甘苦いクッキーを、キミに。
・涙と、嘘と
「……ほら、これ」
お参りの後、太一さんは小さな紙袋を渡してきた。
さっきすこし言い過ぎてしまったことを、反省はしてる。
だけど、すぐ切り替えられなくて。
あたしは恐る恐る受け取った。
「オレも…持ってた」
そういって笑ってくれるから、ほんのちょっとほっとした。
中身は、青い独特の模様が入ったお守り。
真ん中にはもちろん『学業成就』と大きく書かれていた。
「受験、あと少しだしな」
すっと手が伸びてきたから、またデコピンかなんて思ってた。
でもその手は優しく、くしゃっとあたしのクセ毛を愛でるように撫でられた。
あたしはなんていっていいか分からなくなって、ようやくのどから搾り出した。
「ありがとう、ございます……」
こんなにも優しくしてくれているのに、あたしときたら八つ当たりばかりして。
ホント、自分がコドモすぎる―……。
涙が出そうになるほど嫌になる。
でも、そんなときに限って、太一さんが優しくしてくれるから甘えてばっかりだ。
「あの、太一さん……」
あたしの声はきちんと届いて、人ごみの中ふりむいてくれた。
お参りの後、太一さんは小さな紙袋を渡してきた。
さっきすこし言い過ぎてしまったことを、反省はしてる。
だけど、すぐ切り替えられなくて。
あたしは恐る恐る受け取った。
「オレも…持ってた」
そういって笑ってくれるから、ほんのちょっとほっとした。
中身は、青い独特の模様が入ったお守り。
真ん中にはもちろん『学業成就』と大きく書かれていた。
「受験、あと少しだしな」
すっと手が伸びてきたから、またデコピンかなんて思ってた。
でもその手は優しく、くしゃっとあたしのクセ毛を愛でるように撫でられた。
あたしはなんていっていいか分からなくなって、ようやくのどから搾り出した。
「ありがとう、ございます……」
こんなにも優しくしてくれているのに、あたしときたら八つ当たりばかりして。
ホント、自分がコドモすぎる―……。
涙が出そうになるほど嫌になる。
でも、そんなときに限って、太一さんが優しくしてくれるから甘えてばっかりだ。
「あの、太一さん……」
あたしの声はきちんと届いて、人ごみの中ふりむいてくれた。