フォーチュンクッキー
「頭では、また、コイツを寂しくさせるって……わかってるんです」
泣きながらしがみついてきた夏も、顔を真っ赤にさせた秋も、思い悩んだ冬も。
ずっと、そばで見てた。
「そんなオレなのに、否定も拒否もしなかった。……─だから、応えたくて」
ごめん、って何度も心で叫んでた。
オレは間違ってるって、何度も自責した。
いや、本当は今でも思ってる。
でも、お前ならきっとこう言うから。
……────がんばって、と。
隣では、照れも交えた驚きの目で、見つめられていた。
「太一、さん……」
恥なんて承知の上。
でも、ここで逃げたら一生後悔する。
チビ助のことが大切なのは、きっとこの先も変わらない。
そんなオレの心中を察するかのように、もじもじと口を開いたのはおじさんだった。
「……─太一くんは、その、将来のことを…どう思ってるんだ?」
突然のおじさんからの質問に、言葉を失う。
「え……?…あ、あの……」
将来────だなんて、話の流れ的にとても極端な方向でしか考えられない。
だけどおじさんも、複雑そうにすこし顔を赤らめて視線を外している。
相変わらず、当の本人はきょとんとしているのだけど。
泣きながらしがみついてきた夏も、顔を真っ赤にさせた秋も、思い悩んだ冬も。
ずっと、そばで見てた。
「そんなオレなのに、否定も拒否もしなかった。……─だから、応えたくて」
ごめん、って何度も心で叫んでた。
オレは間違ってるって、何度も自責した。
いや、本当は今でも思ってる。
でも、お前ならきっとこう言うから。
……────がんばって、と。
隣では、照れも交えた驚きの目で、見つめられていた。
「太一、さん……」
恥なんて承知の上。
でも、ここで逃げたら一生後悔する。
チビ助のことが大切なのは、きっとこの先も変わらない。
そんなオレの心中を察するかのように、もじもじと口を開いたのはおじさんだった。
「……─太一くんは、その、将来のことを…どう思ってるんだ?」
突然のおじさんからの質問に、言葉を失う。
「え……?…あ、あの……」
将来────だなんて、話の流れ的にとても極端な方向でしか考えられない。
だけどおじさんも、複雑そうにすこし顔を赤らめて視線を外している。
相変わらず、当の本人はきょとんとしているのだけど。