フォーチュンクッキー
「…たっ、たたた……太一さんっ!?」
真っ赤に火照ってしまったであろう頬を両手で押さえ込むものの、目の前には相変わらず意地悪なコーヒー色の瞳。
喫茶店ということも忘れてしまっているのだろうか。
おかげで涙は止まったけれど、恥ずかしさでいっぱいだ。
責めようにも……恥ずかしいけど、ちょっと嬉しいのもあって。
でも、何か言わなくちゃ!
キモチばかり焦っているあたし。
けれど、それすらも笑った太一さんには適わない。
「ごちそーさん」
少なくとも、あたしよりは余裕がありそうだ。
三歳という差は、大きいようで小さい。
コドモとオトナの境界線なんて、昔も今も、あたしには全くわからない。
だけど、少しずつ迷いながら……悩んで決めていけるようになるんだ。
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