心の傷の痛みさえ
翌朝和真より早く目が覚めた私は、そっと和真の腕から抜け出して大急ぎで着替え家から飛び出した。
人の腕で眠ったら、なんか急に気持ちの整理がついた気がして。
ちゃんと仕事に行って、定時きっかりに退社して昨日のお店にお金を払いに行った。
平謝りでお金を払いお詫びの品を手渡すと、
「ご丁寧にありがとうございます。こちらありがたく頂きますね。またどうぞいらして下さい。」と言われ、
居心地の良さについこの店に足を向ける機会が増えた。
「これありがとね。助かったわ。」
最大の難関はスウェットを借りた男にいつ会えるか、だった。
スウェットを洗って返そうと思ったはいいけれど、いついるのか皆目見当がつかない。
結局返せたのはあの日から3週間後。
ぼす、とスウェットの入った袋をカウンターに乗せると「死ぬほど感謝しろよ。」とニヤっとされた。
「一生感謝を強要されるかと思うとゲンナリするわ。」
そう返してビールをオーダーしようとすると、和真はカウンターの中の聡さんに「聡さん、コイツにジントニック。」と声をかける。
「なんでまたジントニック?」そう問うと「さぁね。」とまたニヤっとされる。
目の前に置かれたジントニックのグラスを取り上げると、そこにカツンとビールのグラスを当てられた。
「しみったれた感情なんてとっとと切り捨てろよ。」
人の腕で眠ったら、なんか急に気持ちの整理がついた気がして。
ちゃんと仕事に行って、定時きっかりに退社して昨日のお店にお金を払いに行った。
平謝りでお金を払いお詫びの品を手渡すと、
「ご丁寧にありがとうございます。こちらありがたく頂きますね。またどうぞいらして下さい。」と言われ、
居心地の良さについこの店に足を向ける機会が増えた。
「これありがとね。助かったわ。」
最大の難関はスウェットを借りた男にいつ会えるか、だった。
スウェットを洗って返そうと思ったはいいけれど、いついるのか皆目見当がつかない。
結局返せたのはあの日から3週間後。
ぼす、とスウェットの入った袋をカウンターに乗せると「死ぬほど感謝しろよ。」とニヤっとされた。
「一生感謝を強要されるかと思うとゲンナリするわ。」
そう返してビールをオーダーしようとすると、和真はカウンターの中の聡さんに「聡さん、コイツにジントニック。」と声をかける。
「なんでまたジントニック?」そう問うと「さぁね。」とまたニヤっとされる。
目の前に置かれたジントニックのグラスを取り上げると、そこにカツンとビールのグラスを当てられた。
「しみったれた感情なんてとっとと切り捨てろよ。」