広い空を見上げる最愛の小さなきみに secret love

足音

今年の天候はかなり気まぐれだ。今は六月で、いわゆるところの梅雨。しかし異常気象かと思うほど今日は暑い。
『真夏日になるでしょう。熱中対策をしっかりしてお過ごしください』
エアコンが素肌を撫でる風が心地よい中、キッチンから朝のニュースを見つつ私は小さく息を吐いた。

もちろん私も雨が好きなわけでもない。
洗濯物も乾かないし、家じゅうじめじめするし、なんとなく気分もはれない。

「だからといって真夏日って季節感がないわね」
「そうか? 雨が降るよりはよくない?」

ぼんやりとしていたのか、いつリビングに夫である誠が入ってきたかわからず私はそちらに視線を向けた。
いつも忙しく働いている夫。久しぶりの休日はゆっくりと眠らせてあげようそう思っていたのに、時計を見ればまだ九時前だ。
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