広い空を見上げる最愛の小さなきみに secret love
長谷川莉乃、今年のクリスマスで三十一歳になる。紆余曲折あったお付き合いを経て、同じ会社の上司で五つ年上の誠と結婚をして三年。

可愛い娘も今年二歳になる。社長として会社を経営する彼はとても精力的に仕事をこなしているし、休日は良き夫だ。
三十代半ばになり、一番の男盛りというのだろうか。
結婚前も芸能人と言っても誰も疑わない容姿高い身長で目立っていたが、ここ最近はそこに色気や余裕を感じてさらに素敵になったと思う。

元々、彼は愛や恋を信じるタイプではない。
正直、過去、女性関係が荒れていたことがある誠に、結婚してすぐに私のような平凡な女に飽きられたらどうしようと思ったこともあった。
もちろん、今でも街を歩けば声をかけられ、会社でも妻子持ちでもいいから一夜だけ、そんなことを言われてるところも見てきた。
だから、不安がないと言ったらもちろん嘘にはなるが……。

こんな幸せな朝に何を思っているだろう。
妊娠中はどうしてこうも情緒がジェットコースターのようになるのか自分でもわからない。
< 3 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop