真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
時計広場から北方面を真っ直ぐに見ると、中庭、体育館、裏庭が見える。
今朝はそこに警察官がたくさんいて、パトカーが何台も停まっていた。
私は見なかったけれど、もっと早い時間には救急車も来ていたらしい。
「警察の人たちは今はいないけど、黄色いテープが貼ってあるね」
「うん。裏庭に行けないようにしてあるんだね」
私は時田さんのことで思っていたことを、息吹ちゃんに話した。
「ねぇ、なんで裏庭なんだと思う?」
「ん?」
「普段裏庭ってさ、人気もないし誰も寄りつかない場所じゃん?草も伸びてボーボーだしさ」
「うん。『第二教室棟』からも遠いよね」
息吹ちゃんは私の言いたいことがわかったらしく、
「……なんで裏庭なんかで倒れてたんだろう?」
と、呟いた。
「そうでしょう?違和感があるよね?何かの用事があったのかな?」
「用事……?裏庭での用事って何なんだろう?」