真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
黙って聞いていた寧々様が、
「……滝口くんの疑いも晴れるといいんだけど」
と、残念そうに言う。
「疑いって、寧々先輩!犯人じゃないってこの間、私の彼氏が証言していますよぅ」
「そうだけど……、でも何か息吹と彩葉は疑っている節があるんだもん」
「彼氏が言ったことは嘘じゃないですよぅ、正直で誠実な人ですっ」
「はいはい。彼氏、彼氏うるさい」
ずっと曇った表情だった寧々様が、ついに笑った。
息吹ちゃんとこっそり顔を見合わせて、安心する。
(でも滝口くんは、犯人と繋がっている気はするけど)
寧々様の前で、あんまり言わないほうがいいのかな。
「あ、気を遣って話題にしないとかやめてよね」
と、寧々様が言った。
「えっ」
「彩葉、あんたの考えは読める!私はあんた達の探偵ごっこの話、ここまで聞いてるんだもん。こうなったら最後まで聞かせてよね」
「大丈夫なの?」
と、息吹ちゃんが心配そうに言う。