真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
寧々様はフンっと鼻を鳴らし、
「隠されるほうがショックだから!ちゃんとのけものにせずに、私にも教えてよね」
と、笑顔のまま言った。
土曜日のお昼過ぎ。
息吹ちゃんの家を訪ねた。
「頭の中、こんがらがってきちゃった」
と、息吹ちゃんは頭を抱える。
「そうだよね、色々ありすぎる」
私はメモ帳をパラパラめくる。
「時田さん落下事件、橋谷先生殺人事件、竹中先輩失踪事件……」
「三つも事件が起きてるんだよね」
「そのどれもがまだ、何も詳しくは分かってないもん」
私の言葉に、息吹ちゃんは焦ったようにこう言った。
「三人に共通する人物がいるはずなのに」
私はメモ帳に、『共通人物』と書き込んだ。
「まず、疑いたくないけど、容疑者って加瀬さんでしょう?」
「うーん、まぁ、容疑者……、そうだね?」
息吹ちゃんは少しだけ嫌そうな顔をする。