真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
ふたりで頭をひねる。
でも答えは見つからない。
時計広場を突っ切って、本校舎にある昇降口で上靴から外靴に履き替えた。
また時計広場に戻り、校門を出た。
私と息吹ちゃんは、歩いて十五分の所にある駅を目指して、しばらく黙って歩いた。
沈黙を破ったのは、息吹ちゃん。
「ねぇ、文芸部の部員ってさ」
「うん」
「どうやったら増えると思う?」
私達は文芸部員だ。
三年生がいないので、息吹ちゃんが部長。
実は私も副部長をしている。
第二高校の文芸部は部員数が少なくて、部活としてギリギリ活動できる七人しかいない。
「活動しているようで、していないからなぁ」
と、私は言う。
「問題はそこかぁ」
私達は文芸部ではあるものの、活字の小説などを苦手とする、なんちゃって文芸部員だ。
部室の中ではだいたい、お気に入りの少女漫画の感想を言い合っているだけ。