真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「林堂先生?どういうことですか?その子達は確か……、二年生ですよね?何組の誰ですか?」
岡村先生は眉間にシワを寄せて、今度は林堂先生を責めるように見つめる。
「岡村先生、すみません。帰ります。今、林堂先生にも注意されていたところなんです」
寧々様が頭を下げる。
私達も「そうなんです」と、頭を下げた。
「早く帰りなさいっ!危ない目に遭ってからじゃ遅いのよっ」
と、岡村先生は怒鳴る。
「あの、すみません。さようならっ!!」
と、みんなで駅に向かう。
背中から林堂先生が、
「また学校で!」
と、いつもと変わらない優しい声で言ってくれた。
寧々様と別れて。
息吹ちゃんと自宅の最寄り駅まで帰って来た。
「林堂先生、優しいね」
「うん……」
息吹ちゃんがまた何かを考えているらしく、生返事だった。
「どうしたの?」
尋ねてみると息吹ちゃんがハッとして、
「あっ、ごめん」
と言って、私を見た。
「いつものように推測でしかないんだけど……」