真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
思わぬ衝撃的な展開に、私はギョッとする。
「そんな遠い所じゃないと思う。だって、死体を運ぶって目立つもん。第一、違う場所で殺したとして、わざわざ学校に死体を隠す意味がわからない」
「息吹ちゃん……」
「学校で殺したんだと思う」
「……」
「それで旧体育倉庫に隠したんだよ。あそこなら普段、誰も鍵を開けようなんて思わない。だってもう、使われていない倉庫だもん」
息吹ちゃんはガラスコップにジュースを注ぐ。
ペットボトルのラベルには有名な炭酸飲料のマークが描いてある。
「学校で、殺された」
と、私は意味なく呟く。
「それだよ」
と、息吹ちゃん。
(えっ、何?)
戸惑っていると。
息吹ちゃんは、こう続けた。
「三つの事件の繋がり。全員、学校で亡くなっている。もし時田さんの事件が他殺なら、全員が学校で殺されていたことになる」
「……それだけが、共通点?」
「そう。今のところは」