真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「……」



学校で殺害……。



(世も末だ……)



息吹ちゃんは更にこう言った。



「だから、犯人は男の人かも」



「えっ?なんでそう思うの?」

「彩葉ちゃん、私のこと抱えてみて」

「ん?」



意味もわからず、とりあえず息吹ちゃんの背後に回る。

それから息吹ちゃんを抱っこしようとした。



「うっ……!うぅっ……!!」



息吹ちゃんは小柄で細い。

でも抱っこしようにも、持ち上げられない。



「息吹ちゃん、力抜いてる?なんか……持ち上がんないっ!!」

「死体役だから、ダラっと力を抜いてるんだよ」



ぜぇぜぇ言いつつ、
「無理だっ!」
と、私は諦めた。



「ね?力を抜いてる人って重いの」

「なるほど……!」

「女性が女性を運ぶのも、大変でしょ?竹中先輩は痩せてると言っても、男性。女性の私よりも体重がある。筋肉量とかも違うからね」

「確かに、無理だ」

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