真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
そんなふたりが部長と副部長なんだから、部活動もゆるくて曖昧、というのが現状。
そんな中、部活顧問の林堂 篤人先生からの課題だけが、唯一文芸部らしい活動と言える。
その課題も、短編の小説を読んで、ざっくりとした感想文を書いて、冊子にまとめておしまいというものだ。
「このままだと部の存続も危ういのかな?」
「えっ」
「だって彩葉ちゃん、唯一の三年生だった佐田先輩は、受験を理由にこの前退部しちゃったし」
「うーん、あれは悲しかった」
「他はだいたい二年生でしょ?この春入部した一年生って、ゆみちゃんがひとりっきりなんだよ?」
「……私達が部活引退する時に、文芸部も無くなっちゃうのかぁ」
私達はガックリと頭を下げる。
駅に着き、改札を通る。
一斉下校とあって、ホームには第二高校の生徒であふれている。
そして噂話が飛び交っていた。
「裏庭で倒れてた生徒って死んだらしいよ」
「二年生だって」
「殺されたって噂を聞いたけれど、本当なのかな?」
息吹ちゃんは声を潜めて、
「彩葉ちゃんはどう思う?」
と、聞いてきた。