真夜中の果て  ー文芸部コンビの事件帳ー

「うん、確かにそうだけど……。繋がる糸の張りが甘かった話、したよね?」

「そう。共通点は学校で亡くなっていることしかなかったから」



私は一呼吸置いて、
「でも、それぞれ犯人が別なら?」
と、言った。



「えっ?」

「あんた、何言ってるのよ、彩葉!」



私は声を潜めた。





「時田さんの事件と、他の二件は何かが違う」





「何か?」

「そう、考えてみて。時田さんは落下したけれど、おそらく落下した時の怪我しかなかった。でも、他のふたりは……」



息吹ちゃんが目を見開く。



「そうか、明らかに殺されていた!橋谷先生は刺し傷があって、竹中先輩は首を絞められていたことと、やっぱり刺し傷があった!」

「ふたつの事件は、完全に殺意があるよね?」
と、寧々様も頷いている。



私はふたりに、
「犯人がひとりじゃないなら、解決に導けるかもしれない」
と、言った。

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