真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
「えっ!?」
と、私は大きな声を出してしまい、車内の注目を浴びてしまう。
「ごめん」
なんて、もにょもにょ謝っていると、
「……場所を変えようぜ。あんたらの地元でいいから、ゆっくり話せる場所に行こう」
と、滝口くんが言った。
地元の駅前。
地元すぎて入ったことがなかったチェーン店のカフェに入り、私達は滝口くんと向かい合う。
「……話してもらえませんか?」
話を切り出した息吹ちゃんを見て、滝口くんは深くため息を吐いた。
「話すと思う?俺が裏切るわけない」
「いいえ、話してください。あなたはもう、限界を迎えているから」
息吹ちゃんがまっすぐ滝口くんを見つめ返す。
「限界?なんだ、それ」
「加瀬さんを守る、限界です」
(えっ?)
滝口くんの瞳はじっと息吹ちゃんを見ているけれど、とても悲しそうだった。
「加瀬さんですよね?……時田さんを北校舎の屋上から突き落としたのは」
その言葉を聞いて、滝口くんは頭を抱えて俯いた。