真夜中の果て ー文芸部コンビの事件帳ー
息吹ちゃんは大きく頷いて、
「わかる。引っかかるよね」
と、呟いた。
「まぁ、警察も動いてるみたいだし」
「あ、黄色いテープが貼ってたから?」
「うん。多分それ、これからも捜査するためじゃないかな?」
「なるほど」
そう言った時、頭の中にある人物の顔が浮かんだ。
「今、亮介兄ちゃんのことを考えているでしょう?」
ズバリ息吹ちゃんに言い当てられしまう。
顔が赤くなってしまった。
「好きだよねー、彩葉ちゃん」
と、ニヤニヤされしまい、何とも気まずい。
「今はいいよ、この話」
無理矢理にこの話を終わらせた。
それから元の話に戻すために、
「息吹ちゃんはどう思うの?時田さんの死因」
と尋ねると、
「私?」
と、息吹ちゃんは目を丸くして、少し黙った。
そして言った。
「自殺か他殺、どっちかじゃない?」
「えっ?」
私の目も丸くなる。